@phdthesis{oai:tsukuba.repo.nii.ac.jp:00008836, author = {角田, 肇 and Tsunoda, Hajime}, month = {}, note = {妊娠の成立を、母体にとって半同種移植(semi-allograft)の成功と考え、免疫学観点から研究する生殖免疫学(reproductive immunology)は産婦人科学においても重要な分野として注目されてきている。しかしながら、免疫学、中でも移植免疫学の最近の新しい知見をもってしても、未だなぜ父親由来の主要組織適合抗原(major histocompatibility complex:MHC)を有する胎児が母体から拒絶されないのかという疑問に対して十分な回答は得られていない。それどころか、むしろ母体免疫系は妊娠に対して多用な変化をもって対応して、積極的に胎児の受け入れを促進する方向に進歩も目ざましく、免疫系において抗体以外にもサイトカイン(cytokine)と呼ばれる液性因子が重要な働きを演じていることが次々と明らかにされてきている。中でも、インターロイキン(Interleukin 1:IL-1)は、マクロファージ、単球から産生されるサイトカインであり、Tcell,Bcellなどの免疫担当細胞の増殖、分化を誘導し様々な生物活性を発揮することが明らかにされている。従って、母体免疫系がおおいに影響を受けている妊娠という状況下においても、母親のIL-1がなんらかの重要な役割を果していることは容易に想像できる。また、内因性発熱物質活性、急性期の炎症蛋白の誘導など、炎症反応にもIL-1が関係しており、その作用機序として多くの場合プロスタグランジンを介して作用することも知られている。一方、分娩時の子宮収縮のメカニズムにもプロスタグランジンが関わっていると考えられおり、臨床的にも陣痛誘発などに応用されている、したがって、分娩発来機構にもIL-1が関与しているかもしれない。ところが、これらのサイトカインはごく微量で生物学的活性を示すために今まではその研究は困難であり、体液中より直接検出することも不可能であった。また、未だ、妊娠免疫とサイトカインとの関係に注目して検討した研究はほとんどない。しかし、最近の遺伝子工学の導入によりrecombinant IL-1の入手が可能となり、この分野の研究も飛躍的に進んできている。そこで、本研究においては、胎児の子宮内環境を形成しホルモンを始めとしていろいろな生理活性物質を含有していることが知られている羊水に注目し、羊水中のIL-1を調べることにより、生殖現象におけるIL-1の働きを解明することを目的とした。その結果、体液中より直接検出することが不可能と考えられていたIL-1をヒト羊水中より証明し、これが妊娠週数、陣痛に影響を受けて変動していることを見いだした。また、IL-1の出現とともに羊水中にIL-1阻害活性も出現していることを明らかにした。, 1989}, school = {筑波大学, University of Tsukuba}, title = {ヒト羊水中インターロイキン1(IL-1)の経時的変化と生物学的役割に関する研究}, year = {1989} }