@phdthesis{oai:tsukuba.repo.nii.ac.jp:00008622, author = {水田, 泰治 and Mizuta, Taiji}, month = {}, note = {現代の半導体産業の中心であるシリコン(SI)は間接還移型半導体であり、発光効率は非常に低い。しかし、数nmのオーダーにすることにより、ナノ構造Si(Siナノ微粒子)は可視発光する。Siナノ微粒子は希ガス中でのレーザーアブレーションにより、気相中で生成することができる。レーザーアブレーションのパルス的な特長を利用することで、Siナノ微粒子の表面装飾や不純物ドーピングが可能になると期待できる。これらを実現するためには、Siナノ微粒子の生成過程を明らかにすることは非常に重要であるが、生成過程には未解明な部分がある。その原因として、数nmの微粒子を検出する手法がないことがある。 本研究では、第一にナノ微粒子を検出する手法の開発を目的とし、時間分解フォトルミネッセンス(PL)法とレーザー分解法という二種類の手法を開発した。どちらの手法も気相中に存在するSiナノ微粒子に、任意の時間遅延を付けた第二のパルスレーザー光を照射し、Siナノ微粒子を検出する。時間分解PL法は、レーザー光照射によってSiナノ微粒子を励起し、Siナノ微粒子のPLを観測することで微粒子を検出する手法である。レーザー分解法は、高エネルギー密度でレーザー光を照射し、Siナノ微粒子をSi原子やイオンに分解することで得られる発光を観測し、Siナノ微粒子を検出する手法である。この手法の特長はPLを示さないSiナノ微粒子まで分解して検出することができることである。 第二に、上記の二種類の検出手法を用いて、Siナノ微粒子の生成過程を調べた。Siナノ微粒子を生成する際の希ガスの圧力を2Torrから10Torrまで増加した場合では、2.5msから0.6msとSiナノ微粒子の生成が早くなる。また、アブレーションレーザー光のエネルギー密度が約3.5~10J/c㎡でSiナノ微粒子を生成した場合、0.7~1.5msにおいてSiナノ微粒子は生成する。これから、雰囲気ガスの圧力とアブレーションレーザー光のエネルギー密度を制御することで、Siナノ微粒子が生成する時間を制御できることが明らかになった。さらに、Siナノ微粒子が生成する時間は、生成条件に依らず、電子系のエネルギー散逸に要する時間(~1ms前後)とほぼ一致することがわかった。また、Siナノ微粒子の検出に用いるレーザー光の波長を変化させた結果、気相中にあるSiナノ微粒子の平均サイズが約3nmであると見積もることができた。 第三に、Siナノ微粒子の生成を水素ガス或いは酸素ガスを含む雰囲気ガス中で行い、Siナノ微粒子の表面装飾を試みた。希ガス中で生成したSiナノ微粒子のPLスペクトルは600~700nmにピークがあり、Si 分子の解離による振動構造が観測される。しかし、水素化Siナノ微粒子のPLスペクトルは、1)550nm付近に新たなピークが出現し、2)水素がない場合に観測された振動構造が消滅し、Siナノ微粒子からSi 分子の解離が抑制される。一方、1mTorr以上の酸素ガス中で生成した酸化Siナノ微粒子は、酸化によりSiコアが消えるため、第二レーザー光が吸収されず、PLを示さない。このように、レーザーアブレーションにより水素化または酸化Siナノ微粒子を生成できることが明らかになった。, 2002}, school = {筑波大学, University of Tsukuba}, title = {レーザーアブレーション法による可視発光Siナノ微粒子の生成ダイナミックスと表面修飾 : 時間分解測定}, year = {2003} }