@phdthesis{oai:tsukuba.repo.nii.ac.jp:00008336, author = {田丸, 文信 and Tamalu, Fuminobu}, month = {}, note = {一般に脊椎動物の網膜は,傷害を受けるともはや再生しないといわれている。ところが,成熟した金魚の網膜の周辺部には増殖性の細胞(未分化細胞)があり,分裂・増殖を繰り返しつつ,新たな神経細胞を常に供給している。このため,網膜に傷害を受けても修復再生が可能である。 本研究は,この金魚網膜の生きたスライス標本を作製し,網膜周辺部にある未分化細胞が神経細胞へと機能分化する過程でどのような形態的ならびに生理的変化が起こるかについてホールセル・パッチクランプ法と細胞内染色法を用いて明らかにすることを目的とした。網膜神経組織を構成する神経細胞のうち,本研究では特に神経節細胞の機能分化に注目している。神経節細胞は網膜内で処理した光情報を最終的に活動電位の頻度として脳へ送る細胞である。この細胞の機能分化は,電位依存性ナトリウムチャネルの発現と神経軸策の発達によって評価することができる。 網膜周辺領域を含むスライス標本を作製し,増殖性の未分化細胞集団,それに隣接した領域の細胞,そして成熟した領域にある神経細胞に対してホールセル・パッチクランプ法と細胞内染色法を適用した。その結果,未分化細胞は,1)紡錘状の細長い形態をしていること,2)電位依存性ナトリウムチャネルの発現が見られないこと,そして,3)細胞同士が相互にギャップ結合でつながっていること等が明らかになった。一方,未分化細胞集団に接し,網膜の硝子体に面した細胞は,1)丸い形態をしていること,2)神経様軸策の発達が見られること,3)成熟領域の神経細胞と同様な電位依存性ナトリウムチャネルの発現がみられること,そして,4)隣接する細胞との問にはギャップ結合が見られないこと等が明らかになった。以上の結果は,紡錘状の形態をした未分化細胞の集団はギャップ結合を介して未分化を維持するための分子を共有しているが,ギャップ結合が切れることにより生じた細胞は周囲の環境因子の影響を受け,神経細胞への機能分化が始まることを示唆している。 Goldfish retina grows throughout the animal’s life by adding new cells of all types from multipotent progenitor cells that are clustered at the peripheral edge -- the “marginal region” -- of the retina. Therefore, cells in the peripheral retina are spatially ordered with respect to cellular development, ..., 2001, Includes bibliographical references}, school = {筑波大学, University of Tsukuba}, title = {Functional differentiation of retinal neurons from multipotent marginal progenitor cells in sliced retina of adult goldfish, carassius auratus}, year = {2001} }