{"created":"2021-03-01T06:43:43.125228+00:00","id":8333,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"970eec5a-7f91-4516-9d96-bf74ee22075b"},"_deposit":{"id":"8333","owners":[],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"8333"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:tsukuba.repo.nii.ac.jp:00008333","sets":["3:233:254"]},"author_link":["34707"],"item_12_biblio_info_6":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"1994","bibliographicIssueDateType":"Issued"}}]},"item_12_date_granted_46":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"1994-11-30"}]},"item_12_degree_grantor_44":{"attribute_name":"学位授与大学","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_language":"ja","subitem_degreegrantor_name":"筑波大学"},{"subitem_degreegrantor_language":"en","subitem_degreegrantor_name":"University of 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この降水量変動の地域性を決定する大気循環場の変動についても,往来の研究では,主に天候予報の目的から,地域ごとの降水量変動と直接相関のある大気大循環パターンのみを抽出するという手法により論じられていた。しかしながら,局地性の強い日本の降水量変動を,その降水の成因を含めて論じるためには,より地域的な大気循環の指標を考える必要がある。極東域の地上気圧場については100年におよぶ長期間のデータがあり,降水に関連した地上付近の局地的な大気循環の状態をよく表している。本研究では,回転主成分分析により月平均地上気圧にみられるこの極東域における変動パターンを抽出し,地上における大気循環の長期変動を,降水量とは独立に明らかにした。 以上により求められた降水量変動の時系列と地上気圧変動パターンの時系列の相関解析により,日本の地域的な降水量変動に対応した極東域の地上気圧変動パターンが得られた。さらにこの地上気圧場の変動と北半球全体における500hPa高度場の変動との相関解析を加えることにより,日本の降水量変動にみられる地域性と,それらを決定する大気循環場の変動が明らかになった。各季節ごとの結果は以下の通りである。 寒候期の1月については,降水量の長期変動の地域性は脊梁山脈を挟む太平洋側と日本海側で特徴づけられ,両地域はさらに幾つかの小地域に区分される。極東域の地上気圧場の変動は,アリューシャン低気圧の弱化北上―強化南下を表すNPパターン,弱化南下―強化北上を表すOKパターン,シベリア高気圧とアリューシャン低気圧の東西の移動を表すJSパターンなど計5つの変動パターンによって表される。 NPおよびOKパターンは,両者とも冬季の北半球に見られるテレコネクション(遠隔伝播)パターンのうち,太平洋から北米へつながる偏差の波列を表すPNAパターン,および極東域での南北の偏差振動を表すWPパターンと対応している。NPパターンは関東以西太平洋側地域の降水量変動に関連している。アリューシャン低気圧が弱化北上した1920年以前および1950年代には,日本の南岸を通過する低気圧が頻発し,関東以西太平洋側地域の降水量は増加していた。一方,OKパターンは日本のどの地域の降水量変動とも関連がない。これらの結果はアリューシャン低気圧のわずかな位置の変動が日本の降水量変動の地域性を決定していることを示している。 地上のJSパターンは,北陸地域の降水量変動に関連している。アリューシャン低気圧が西偏していた1935年~1965年にかけて,オホーツク海で急速に発達する低気圧により北陸地方の降水量が増加している。一方,シベリア高気圧が日本に張り出していた1915年以前および1965年以降はこの地域の降水量は減少している。上記のように,同じ西高東低のいわゆる冬型の気圧配置でも,そのわずかな相違が日本の降水量変動の地域特性を大きく左右していることが明らかとなった。 同様の手法で梅雨期前半の6月について行った解析では,本州南岸における関東,東海~四国,中国~北九州という東西の地域区分,および西日本における中国~北九州,南九州,南西諸島という南北の地域区分が見られた。極東域の地上気圧場はオホーツク海高気圧の盛衰を表すOKパターン,北太平洋高気圧の日本の南海上への張り出し-後退を表すIOパターンなど計4つの変動パターンでほぼ表された。 極東域のブロッキング型大気循環を示す上層のWPパターンと対応している地上のOKパターンは,関東山地を挟んで隣り合う2地域,すなわち関東地域と東海~四国地域に逆の降水量変動をもたらすように働く。オホーツク海高気圧が発達していた1950~1970年代にかけて,北東からの寒冷な気流の進入と南岸に停滞する前線により関東地域の降水量が増加しているのに対して,その気流が関東山地で遮られる東海~四国地域の降水量は減少していた。一方,オホーツク海高気圧の勢力が弱った1920~1950年代にかけては北太平洋高気圧が日本の東海上に張り出しやすく,その勢力圏内にある関東地域の降水量は減少しているが,高気圧の北西縁辺部に当たる東海~四国地域にかけては湿潤な気流が流入しやすく降水量が増加している。往来の研究では,上層のブロッキング型循環は梅雨期の降水量増加への関連が強調されていたが,地上気圧を通じた本研究の解析により,日本の降水量変動への影響は地域により異なることが明らかになった。 6月において,北太平洋高気圧の日本の南海上への張り出しおよび後退を表すIOパターンは,日本の離れた地域に同じ降水量変動をもたらすように働く。北太平洋高気圧の日本の南海上への張り出しが強かった1950~1975年にかけて,高気圧の北西縁辺に位置し,南西からの湿潤な気流が流入しやすい南九州地域の降水量が増加したとともに,高気圧の北辺に当たり低気圧の通過しやすい東北・北海道地域の降水量も増加していた。このように北太平洋高気圧のわずかな張り出しの相違により日本の降水量変動にみられる地域性が決定される。 以上の結果は,局地性の強い日本の降水量変動と大気循環場の変動との関連の研究において,回転主成分分析により示された地上気圧の変動パターンは,地域的な降水量変動におけるわずかの変動に対応しており,また降水に至るメカニズムを示唆できるという点において極めて有効であったことを示している。 The purpose of this study is to examine the regional characteristics (regionality) of long-term (90 years) precipitation change in Japan, and to clarify that the large-scale change of atmospheric circulation patterns associated with the regionality of precipitation mainly through the analysis of the fluctuation of sea level pressure (SLP) patterns in East Asia. 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