@phdthesis{oai:tsukuba.repo.nii.ac.jp:00008328, author = {石井, 由起 and Ishii, Yuki}, month = {}, note = {急性骨髄性白血病はall trans-retinoic acidを投与することで治療することが可能である。この治療効果は分化誘導によることが明らかにされたことから,分化誘導機構の解明と,さらなる有効な分化誘導剤の開発が必要とされている。植物ホルモンのサイトカイニンは植物に多彩な生理作用をもたらすが,その一つに,カルスから不定芽を誘導し,植物体へと再分化させる活性がある。本論文は,カルス細胞とがん細胞は「増殖の盛んな未分化細胞であり,分化誘導が可能である」という類似点があることに着目し,サイトカイニンがヒト白血病細胞の分化を誘導することを見出し,その機能解析を試みた研究報告である。 サイトカイニンを含む様々なアデニン誘導体を,ヒト骨髄性白血病細胞HL-60に処理したところ,各種サイトカイニンにより正常血液細胞(穎粒球)へと分化した。白血病細胞に最も強い活性を示したアデニン誘導体は,植物においても活性が高い代表的なサイトカイニンであった。 また,糖鎖のついたリボシド体のサイトカイニンは,分化誘導効果は弱いが増殖抑制効果が著しく強く,効果的にアポトーシスを誘導した。しかし,アポトーシス阻害剤の処理によってこのアポトーシスを抑制すると,分化誘導が観察され,リボシド体は,分化誘導効果と共に強いアポトーシス誘導効果も持つことを明らかにした。 細胞内に取り込まれたサイトカイニンは速やかにヌクレオチドに代謝された。主な代謝産物は1・リン酸体であり,この生成量と分化誘導効果が良く相関したことから,この代謝産物が分化誘導に重要であると推察された。 シグナル伝達経路に関しては,MEKを介するMAPK(ERK1/2)の活性化が分化に必要であり,他の誘導剤の場合に比べ,速やかにかつ非常に強く活性化する点が特徴的であった。増殖・分化に関与する転写因子のうち,C/EBPファミリーにおいてサイトカイニンに特異的な発現変動が観察された。既知の誘導剤による穎粒球への分化にはC/EBPαが重要とされているが,サイトカイニンによる分化ではC/EBPδの発現が著しく誘導された。白血病細胞の分化誘導におけるC/EBPδの関与については報告がないが,アンチセンスオリゴを用いた解析により,サイトカイニンによる分化誘導にC/EBPδが関与していることを示した。マイクロアレイによる網羅的な解析から,サイトカイニンは多くの特異的な遺伝子発現を伴うことを明らかにした。また詳細な発現解析の結果,S100ファミリーのSl00Pの発現がサイトカイニンにより特異的に強く誘導され,白血病細胞の分化に関連することが示唆された。 Cytokinins are important plant hormones which regulate various physiological events in plant growth and development according to the intrinsic developmental program and in response to environmental stimuli. As one of the functions of cytokinins, it have been well-known that they have activity to induce the redifferentiation of callus into a whole plants. ..., 2003, Includes bibliographical references}, school = {筑波大学, University of Tsukuba}, title = {Induction of differentiation of human myeloid leukemia cells by cytokinins, plant hormones}, year = {2004} }