@phdthesis{oai:tsukuba.repo.nii.ac.jp:00008324, author = {市ノ瀬, 充行 and Ichinose, Mitsuyuki}, month = {}, note = {本論文は,比較的単純な循環系及び神経系をもつ軟体動物後鰓類アメフラシを用いて,循環系の統合機構を解明するため,心筋及びそれを支配する神経節細胞における伝達物質の作用機構を膜レベルで明らかにしたものである。特に(1)心臓血管系における神経物質の効果,(2)心臓血管系に神経支配する神経細胞への伝達物質の作用等があげられ,その概要は次の通りである。 心臓の前方大動脈にAchを電気泳動的に微小投与すると,脱分極,過分極及び二相性応答を生ずる。脱分極応答は,外液Na+濃度に依存し,hexamethonium, atropineで阻止される。過分極応答は,外液C1-濃度に依存し,d-TCで阻止される。これは2種のAch受容体の存在を示唆する。そしてAchは前方大動脈に対し興奮性及び抑制性作用を持っている。 一方5-HTを心室に灌流すると陽性変時作用及び変力作用がみられるが,前方大動脈では収縮性の増大と弛緩作用が生じた。また両者とも5-HTの10-7M以上で濃度依存性がみられるが,cAMP濃度上昇がみられた。10-3Mではその濃度上昇は心室で70倍,前方大動脈で150倍に増加した。細胞内Caの貯臓部位に対する5-HT,cAMPの作用は,心室筋では5-HTにより放射性45Ca流出が促進した。従って心室に対する5-HTの収縮増強作用は,一部cAMPを介していることが明らかになった。 腹部神経節内の神経分泌細胞といわれるR14は,前方大動脈に神経終末を持つことが組織学的に観察された。R14は高濃度のGlyを含み,その選択的取り込み,軸索輸送をおこなう。これはGlyがR14の伝達物質として使われている可能性を示す。R14を発火させると興奮性運動神経が刺激されて筋収縮が増強したが,この増強は1mM Glyを灌流しても生じたので,R14が終末でGlyを放出することを示している。Glyを心室筋に作用させると陽性変時作用,変力作用がみられた。前方大動脈では収縮性が増強された。また心室筋では,細胞内貯臓部からの45Ca流出が促進された。外液中のNaあるいはCaを除くか,形質膜のCa移動を抑えるLaを加えると,この流出促進は止った。Glyの作用発現に,外液Na,Caの存在が必要と考えられる。 R14は自発活動をもたず,他の神経細胞からのシナプス入力も観察されなかった。R14は,1mM中性アミノ酸で20~30mVの脱分極を生じたが,他の伝達促進物質には応答しなかった。R14が活動電位を生ずるためには200~300μMのアミノ酸が必要であった。イオン置換実験により,この脱分極はNaコンダクタンス上昇によることが確かめられ,R14は体液中のアミノ酸濃度変化により体液性に調節されていることが明らかになった。 (1). Molluscan nervous system (2). Advantages of Aplysia neurons (3). Abdominal ganglion (4). Cardiovascular system of Aplysia (5). Neural control of circulation in Aplysia (6). Effect of Ach on the vascular system (7). Effect of 5-HT on the cardiovascular system (8). Effect of glutamate on the cardiovascular system (9). Effect of glycine on the cardiovascular system (10). Effects of neutral amino acids on R14 ..., 1985}, school = {筑波大学, University of Tsukuba}, title = {Effects of modulating neural substances on the cardiovascular system and related abdominal neurons in Aplysia}, year = {1985} }