@phdthesis{oai:tsukuba.repo.nii.ac.jp:00008321, author = {木戸, 敬治 and Kido, Yukiharu}, month = {}, note = {本論文は,サケ科魚類ゲノムに存在するshort interspersed repetitive element(SINE:短い散在型反復配列)の構造とコピー増幅のプロセスについての研究を述べたものである。 著者は,ゲノムDNAのin vitro転写産物をプローブとしていくつかのサケ科魚類からクローニングを行い,3種類のSINE(Sma I, Fok I, Hpa Iファミリー)の存在を示した。これら3ファミリーは,相互に異なる塩基配列をもっているが,いずれもRNAを介するプロセスで転移することによってコピーを増幅したと考えられる構造上の特徴を有しており,またtRNAの配列に高い類似性を示した。特にFok Iファミリーは,これまでに同定されたtRNA起源と思われるSINEの中で最も高いtRNAとの類似性を示している。PCRにより3つのファミリーのサケ科サケ亜科魚類における系統的分布を調べたところ,各ファミリーはそれぞれ全く異なる分布を示し,したがって進化的に異なる時期に独立にそれぞれのコピーの増幅が起こったことが明らかとなった。 Hpa Iファミリーは調べたサケ科サケ亜科魚類全てに存在しており,増幅はサケ亜科の分岐が始まる前に起こったことが示唆された。増幅時期を明らかにするため,サケ亜科の放散が始まる以前に分岐したサケ科コレゴヌス亜科やチマルス亜科のゲノムに,どのくらいのHpa配列が存在するかをドットハイブリダイゼーションによって検討した。その結果,サケ亜科魚類にハプロイドあたり数万コピーが存在するのに対し,チマルス亜科には約1/10,コレゴヌス亜科には1/100前後のHpa配列が存在することが示唆された。コピー増幅に伴い,Hpa Iファミリーメンバーの配列が変化しているかどうかを検討するため,チマルス亜科1種,コレゴヌス亜科3種のゲノムライブラリーから計18クローンを単離したところ,コンセンサス配列に対していずれも同様の置換パターンを示すサブファミリー構造が認識された。それぞれのサブファミリーの系統的分布とコピー数をPCRとドットハイブリダイゼーションによって調べた結果,Hpa Iファミリーは,サケ科の進化の様々な時点でサブファミリー形成を繰り返しながらコピーを増やし,ついにサケ亜科では数万コピーに達したことが明らかとなった。 Genomes of higher eukaryotes are usually 1000- or more times larger than those of typical prokaryotes. For example, the size of haploid human genome is 3.3 × 10[6] bp (Lewin, 1994). There are, however, far fewer numbers of functional gene in eukaryotic genomes than expected from the genome sizes. ..., 1994}, school = {筑波大学, University of Tsukuba}, title = {Molecular biological studies on amplification and evolution of tRNA-derived SINE families in salmonid genomes}, year = {1995} }