@phdthesis{oai:tsukuba.repo.nii.ac.jp:00008314, author = {山崎, 一憲 and Yamazaki, Kazunori}, month = {}, note = {本論文は,サソリ類(蛛形綱,サソリ目)において初めて,雌性産生単為生殖の過程および機構を,組織学的観察,核学的観察,および核DNA量の測定にもとづいて解明したものである。 ヤエヤマサソリはアジア・太平洋地域に広く分布し,沖縄県八重山諸島を分布の北限とする胎生のサソリである。西表島のヤエヤマサソリ個体群が雌性産生単為生殖によって維持されていることは,野外調査および実験室内での個別継代飼育によって明らかにされていたが,母虫卵巣内において卵の成熟から発生の単為的開始に至る過程および機構については,不明であった。 著者は,卒業研究以来約6年間にわたって,多数のヤエヤマサソリを実験室内で個別継代飼育し,厳密な単為的条件下で,卵の成熟から発生の開始に至る間の核DNA量の変遷を共焦点レーザー顕微鏡下で測定し,核相の半減から回復に至る。全過程を,連続切片法により組織学的に詳細に観察した。また,この間の染色体数の変化の追跡により,卵の成熟分裂(減数分裂)による核相の半減と,発生開始に先立つその回復を確認した。さらに,卵の成熟から発生の開始に至る問の核DNA量の変遷を共焦点レーザー顕微鏡下で測定し,核相の半減から回復に至る過程を,核DNAのレベルで確認した。これらの結果を総合して,ヤエヤマサソリの雌性産生単為生殖の過程および機構を疑問の余地なく解明した。 組織学的観察では,減数第1分裂によって一次卵母細胞から二次卵母細胞と第一極体が生じ,続く減数第2分裂によって二次卵母細胞の核は成熟卵の核と第二極体の核に分かれるが,細胞質分裂は起こらず,成熟卵の核と第二極体の核はやがて癒合し,その後に胚発生が始まることが確認された。核学的観察では,減数第1および第2分裂中期の分裂像において約30本の染色体が,また卵割中の胚の細胞の分裂像および母虫卵巣組織の体細胞の分裂像から約60本の染色体が数えられ,卵の成熟による染色体数の半減と,発生開始に先立つその回復が確認された。さらに,減数分裂前後の核DNA量は,休止期の一次卵母細胞では2C(複相の基準値),減数第1分裂直前にはDNAの複製により4C,減数第1分裂によって生じた二次卵母細胞および第一極体では半減して2C,減数第2分裂によって生じた成熟卵の核および第二極体の核ではさらに半減して1Cとなり,未分割津期および卵割期の胚の細胞では再び2Cとなって,減数分裂の進行に伴うDNA量の減少と,成熟卵の核と第二極体の核の癒合によるその回復が確認された。以上のことから,ヤエヤマサソリの単為生殖では,卵の成熟の最後の段階で,卵の核と第二極体の核との癒合によって核相を回復し,雄の生殖細胞を待つことなく,単為的に発生を開始するものであることが明らかになった。 Some cellular processes and mechanisms of the thelytokous parthenogenesis have been clarified in a viviparous scorpion, Liocheles australasiae. In Part 1, the parthenogenetic reproduction was made more certain through four successive generations and through repeated pregnancies in the individual females under the separate rearing, and ..., 2000}, school = {筑波大学, University of Tsukuba}, title = {Studies on the thelytokous parthenogenesis in the scorpion, Liocheles australasiae (Fabricius)}, year = {2001} }