2024-03-29T06:23:00Z
https://tsukuba.repo.nii.ac.jp/oai
oai:tsukuba.repo.nii.ac.jp:00037468
2023-01-31T06:00:37Z
3:2622:4995:4996
日本語教育研修会(2015.1?2015.12)講演要旨
Abstracts of the Lectures given at the Japanese Language Education Training Meeting (2015.1?2015.12)
本講演では、日系オーストラリア人のアイデンテイティーと言語移行における「喪失のメタファー」との関係の研究について報告した。プロック(2008) は、言語マイノリティーにおける言語移行は、個人にとって常に負の影響をもたらすという「喪失のメタファー」に基づいて理解されていることが多いことを批判し、この認識は具体的根拠に乏しく実際に言語移行を体験しつつある人々の生の声は必ずしも反映されていないと指摘している。また、個人個人のための言語維持を考える上でも、現実把握の重要さを示した。本研究では、このような視点に基づき、1 8 ~ 4 1歳の8 名の日系オーストラリア人にインタビューと事前質問紙による調査を行った。その結果、日本語能カ・日本文化理解が劣っていることによるアイデンテイティーの喪失感は限定的であることが分かった。しかし、その内実は個人ごとに異なっており、言語所有意識、日本人/ オーストラリア人であることへの心的投資、ジェンダー規範、自他からかけられている期待などの要因が複雑に影響しあうなかで、それぞれが独自に意味づけを行っていることが認められた。さらに、インタビュー参加者たちは「日本人であること」に関して、自分自身と他者の場合と異なるニ重基準を持っている場合が認められたほか、アイデンテイティーの型として「自己体験型」対「想像型」、「価値観型」対「出自型」のようなパターンが観察された。
departmental bulletin paper
筑波大学グローバルコミュニケーション教育センター 日本語教育部門
Japenese Language Education Division, Center for Education of Global Communication, University of Tsukuba
2016-03-10
application/pdf
筑波大学グローバルコミュニケーション教育センター日本語教育論集
31
197
200
Journal of Japanese Language Teaching
1348-1363
AA11646017
https://tsukuba.repo.nii.ac.jp/record/37468/files/JJlt 31-197.pdf
jpn
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